あいのわ ダスキン愛の輪基金

2016年05月20日

第35期研修派遣生 平井望さん研修報告

私の研修は、ろう者(=Deaf:デフ)の特性に応じたスポーツマネジメントをテーマにしています。研修先にロシアを選んだ理由は、デフスポーツ界のトップレベルで、国を挙げてスポーツに力を入れているからです。聴覚障がい者の五輪であるデフリンピック、世界選手権でメダルを量産しています。メダルを獲ると、生活が変わるというほどの報酬を国から与えられるといわれています。また、欧州でのスポーツ交流がとてもさかんです。それに比べて、日本ではそのような環境が整えられていません。アジア諸国とのスポーツ交流が乏しいのも現状です。また、日本におけるデフリンピックの認知度はわずか2%しかありません。日本のデフスポーツを取り巻く厳しい環境を改善していくには、ロシアから学ぶことが数多くあるとみています。ロシアの第二都市であるサンクトペテルブルクの全ロシア聴覚障害者協会を研修の本拠地とし、ロシアが取り組んでいるデフスポーツの支援システムを探り、情報を収集しています。それから、研修の後半に、大会視察をするために欧州諸国をまわり、競技面だけでなく運営面も把握していきます。

ロシアといえば、隣の国であるにもかかわらず、情報が少なく閉ざされた未知の世界という、欧米とは違うイメージを持たれていると思います。しかし、ロシアに来てからそのイメージはだいぶ覆りました。ソ連時代の古い建物が多く残るものの、高層マンションや、大型ショッピングモール、カラオケ、マックなど、商業施設がどんどん建てられていき、ソ連時代のイメージはどこに行ったのかと思うほどの変貌ぶりです。それは表向きだけで、バリアフリーに関してはかなり遅れていて、例えば、すべての地下鉄にはエレベーターがないというほどです。そのせいか、高齢者や子連れに親切にする習慣があり、地下鉄やバスなどで若い人が席を積極的に譲る場面をよく目にします。不便に感じる反面、日本が見習うべきだと思うところが多く、驚きと新しい発見の日々を過ごしています。 留学前に2年間スカイプを通してロシア手話を教わっていたおかげで、ロシア人との会話がとても楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいます。私と関わっているロシアの方々は、親切な方ばかりでいつも助けられています。そんな充実した研修はすでに後半に入り、9月に帰国が待っているので、 残りの時間をさらに内容の濃い研修にしていきたいと思います。

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